
上野 俊哉
1962年、宮城県生まれ。和光大学表現学部総合文化学科教授。専攻は社会思想史、文化研究。著書に『思想の不良たち――1950年代 もう一つの精神史』(岩波書店)、『思想家の自伝を読む』(平凡社)、『アーバン・トライバル・スタディーズ――パーティ、クラブ文化の社会学』(月曜社)、『ディアスポラの思考』(筑摩書房)、共著に『実践カルチュラル・スタディーズ』(筑摩書房)、『戦争と平和』(徳間書店)、共訳書にポール・D・ミラー『リズム・サイエンス』(青土社)、ポール・ギルロイ『ブラック・アトランティック――近代性と二重意識』(月曜社)など。
押井守は「大戦間期」あるいは「戦争と戦争の間の時期」の作家ではないか――。この刺激的な仮説のもとに押井監督の作品群をあらためて見つめ、読み込む。閉塞する現実、滅びゆく日本の社会と文化に「抜けない棘」のようにはたらきかける批評の挑発。