ナチス機関誌「女性展望」を読む   女性表象、日常生活、戦時動員
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ナチス機関誌「女性展望」を読む   女性表象、日常生活、戦時動員

¥5,280 税込

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桑原 ヒサ子(クワハラ ヒサコ) 1953年、東京都生まれ。学習院大学大学院博士課程修了、敬和学園大学人文学部教授。専攻はドイツ文学、ドイツ現代文化。共著に『時代を映す鏡としての雑誌――18世紀から20世紀の女性・家庭雑誌に表われた時代の精神を辿る』(日本独文学会)、『軍事主義とジェンダー――第二次世界大戦期と現在』(インパクト出版会)、論文に「女性雑誌『コンスタンツェ』Constanzeが伝える敗戦後のドイツ人女性――結婚、シングルマザー、就労、法律」(「人文社会科学研究所年報」第16号)、「ドイツ人女性の戦後――「零時」からの出発」(「人文社会科学研究所年報」第13号)など。 1932年から敗戦直前まで発行されたナチスの機関誌「女性展望」は合計282号を数え、最盛期には140万部を記録した。それは、ナチ女性団が編集・発行した女性向けプロパガンダ雑誌として、社会的・文化的領域で「理想的な」女性像を伝達する有力メディアのひとつだった。 誌面では、ヒトラーの指導者像を形作り、敵と味方のイメージを色濃く描き分け、女性を戦時奉仕活動へと動員するための表象を次々に打ち出していった。一方では、性別役割分業と良妻賢母思想を宣伝し、戦時下の窮乏生活を乗り切るための調理方法や物資の倹約法、娯楽を提供する連載小説などを掲載した。 さらに、ナチ女性団と、権力掌握後にナチ化を受け入れたドイツ女性事業団の活動記事からは、彼女たちが母性主義を逆手に取って、家庭に収まることなく女性の社会的地位向上を目指して大規模な社会活動を展開したことを明らかにして、これまでのナチ女性のイメージを覆す。 本書は、官製女性雑誌のために戦後ドイツの記憶から消し去られた「女性展望」を掘り起こし、ナチス支配下に生きた女性たちの全体像を解明する初の研究成果である。300点の貴重な図版を所収する。