姜 竣(カン ジュン)
1966年、韓国生まれ。京都精華大学マンガ学部教授。専攻は民俗学、文化人類学、表象文化論。著書に『紙芝居と〈不気味なもの〉たちの近代』(青弓社)、共著に『ストリート人類学――方法と理論の実践的展開』(風響社)、『近代日本宗教史第5巻 敗戦から高度成長へ』(春秋社)、論文に「文学の根拠から越境する文学へ」(「ユリイカ」2019年2月号)、「スティグマのシンボルからアイデンティティのイコンへ――「マレビトの地理」が導く歓待の問い」(「口承文芸研究」第42号)など。
京都精華大学マンガ学部で人気の授業から生まれた、言葉と表現の仕組みを読み解くユニークなメディア論講義の書籍化。
「時代や場所によって、人々の感性や知覚は変わる」「メディアの変化や歴史が、いまの私たちのモノの考え方に大きく影響している」――この見方を身につけるために、本書では近世から近代へ、近代から現代へと変容するメディアが私たちに及ぼした影響を、絵と声と文字という「言葉の三角形」の視点から解き明かします。
第1部の理論篇では、言葉という大きなテーマを扱うための視角と方法を提示します。続く第2部の歴史篇では、江戸時代の浮絵や眼鏡絵、明治の小説や錦絵新聞などの具体例を多く示しながら、風景画と文学、言葉と国民国家形成との関係性を解説します。第3部の実践篇では、紙芝居やマンガを事例にして、絵と声と文字の関わりから現代のメディア表現がよって立つ基盤についてレクチャーします。
マンガの描き方を学ぶために大学に入り、はじめて座学で表現とメディアの関係にふれる学生を対象にする人気講義をブラッシュアップ。私たちのモノの考え方とメディアの関係を見据え、メディアの変化が社会に及ぼす影響を追求する視点が学べる一冊です。