
近藤 健児(コンドウ ケンジ)
1962年、愛知県生まれ。中京大学経済学部教授。専攻は国際経済学。著書に『絶版文庫万華鏡』『絶版新書交響楽――新書で世界の名作を読む』『辺境・周縁のクラシック音楽2――中・東欧篇』『辺境・周縁のクラシック音楽1――イベリア・ベネルクス篇』『クラシックCD異稿・編曲のたのしみ』『絶版文庫交響楽』(いずれも青弓社)、『現代経済の諸問題と国際労働移動』『環境、貿易と国際労働移動』『国際労働移動の経済学』(いずれも勁草書房)、『The Economics of International Immigration: Environment, Unemployment, the Wage Gap, and Economic Welfare』(Springer)、共著に『クラシック偽作・疑作大全』『クラシックCD異稿・編曲のよろこび』『絶版文庫嬉遊曲』『絶版文庫四重奏』『絶版文庫三重奏』(いずれも青弓社)、『イタリアから学ぶ外国人労働者問題』(創成社)ほか多数。
日本独自のアンソロジーとして、かつては家庭の教養のシンボルでもあった「世界文学全集」。残念ながら1980年代を境にブームは過ぎ去り、いまでも刊行されてはいるものの規模は小さくなっている。しかし、世界文学全集は有名作を押さえながら、翻訳が少ない優れた作品も収録し、作品と作家解説も非常に充実している。全集に収録された作品が、現在でも唯一の翻訳であることも多い。さらには多くの図書館に所蔵されているため、手に取りやすいという利点もある。
本書では世界文学全集に収録され、かつ一度も文庫化されていない海外文学作品70点を厳選して紹介。河出書房の「世界文学全集」や筑摩書房の「世界文学大系」など37の全集をもとに、イギリス、ロシア、ドイツやラテンアメリカの作家の貴重な作品を案内する。
ジョージ・エリオット、ウィラ・キャザー、オノレ・ド・バルザック、ラファエル・サンチェス・フェルロシオほかの隠れた名作にふれ、読みたい作品がぐっと増える、海外文学ファン必読の一冊。