
冨山一郎
1957年生まれ。大阪大学大学院文学研究科教授。専攻は歴史学。著書に『暴力の予感』(岩波書店)、『増補 戦場の記憶』(日本経済評論社)、『近代日本社会と「沖縄人」』(日本経済評論社)、共編著に『ポスト・ユートピアの人類学』(人文書院)、『記憶が語りはじめる』(東京大学出版会)など。
宿命的に歴史経験を背負わせ、当事者として据え置いたうえで、饒舌に、また正当性を競い合いながら解説される「沖縄問題」。饒舌な語りを回避しながらそれが何を恐れて発された言葉なのかを問い、経験に関わる言葉の連累の可能性を多角的に照らし出す。