土井 健司(ドイ ケンジ)
1962年、京都府生まれ。関西学院大学神学部教授。専攻は宗教学、生命倫理学。著書に『救貧看護とフィランスロピア』(創文社)、『キリスト教は戦争好きか』(朝日新聞出版)など。
田坂 さつき(タサカ サツキ)
1959年、栃木県生まれ。立正大学文学部教授。専攻は古代ギリシャ哲学、臨床哲学。著書に『臨床哲学』(KADOKAWA)、『『テアイテトス』研究』(知泉書館)など。
加藤 泰史(カトウ ヤスシ)
1956年、愛知県生まれ。椙山女学園大学国際コミュニケーション学部教授、一橋大学名誉教授。専攻はカント、ドイツ観念論、近代日本哲学。編著に『スピノザと近代ドイツ』(岩波書店)、共編著に『尊厳と生存』(法政大学出版局)など。
コロナ禍では医療従事者が不眠不休で治療にあたってもなお医療資源が不足している。どのような理由で医療資源を配分して、誰を、どの命を優先するのかを判断するトリアージをおこなうことの是非が、医療現場でも社会全体でも議論されている。
「助かる命を優先する」という効率的な医療の必要と「その選別から漏れる患者の命と尊厳を守るべきだ」という考えのはざまにある現在の日本社会で、トリアージをおこなう根拠や倫理的な責任を、医療や宗教、哲学の視点から多角的に考え、問題点を提起する。
「自宅待機」などの政府方針や医療界での議論など、日本の事例はもちろん、台湾やイタリア、ドイツなどの実情にも目を向け、「命の選別とその基準」をめぐる課題と正面から向き合い、検証した貴重な成果。2021年8月に開催した日本学術会議のシンポジウムでの報告に書き下ろし原稿を加えた論集。