
許 光俊
1965年、東京都生まれ。音楽評論家、慶應義塾大学教授。著書に『問答無用のクラシック』『コンヴィチュニー、オペラを超えるオペラ』(ともに青弓社)ほか多数。
♪やれ年金がどうだの、老人医療がどうだのというニュースが多い。あんたら、会社を辞めた後で、20年も30年もタダで食おうってのかい? そいつぁあ、ちょっとばかり虫がよすぎやしねえか。考えてみろよ、40年働いたら、20年、30年分の年金がもらえるなんて、どう計算したら可能なわけ? 私は最近60で死んでもいいと思うようになったら、未来に対する心配がなくなって、きわめてハッピーである。あと20年、どうやって楽しもうかと、かえって張り合いが出てきた。長生きするなら、自分の責任でしなさい。で、次号は、「死」が絡む特集の予定です。特集は、クラシック・ファンなら必ずや熱い思い入れがある「名盤」。「失恋」「極道」と続いた特集は、ついにその核心に迫る。忘れられた名盤、名盤の生態、名盤をめぐる喜怒哀楽、名盤の謎や秘密……論客がクラシック・ファンの肺腑をえぐる衝撃の内容。