石坂 友司(イシザカ ユウジ)
奈良女子大学生活環境学部教授。専攻はスポーツ社会学、歴史社会学。著書に『現代オリンピックの発展と危機』『コロナとオリンピック』(ともに人文書院)、共編著に『一九六四年東京オリンピックは何を生んだのか』(青弓社)、『未完のオリンピック』(かもがわ出版)など。
小澤 考人(オザワ タカト)
東海大学観光学部教授。専攻は観光社会学、文化社会学。共編著に『オリンピックが生み出す愛国心』(かもがわ出版)、共著に『2020東京オリンピック・パラリンピックを社会学する』(創文企画)、『基本観光学』(東海大学出版部)、論文に「コロナ禍のメガイベントとその検証」(「大原社会問題研究所雑誌」第755・756号)など。
金子 史弥(カネコ フミヒロ)
立命館大学産業社会学部准教授。専攻はスポーツ社会学、スポーツ政策論。共著に『オリンピックが生み出す愛国心』(かもがわ出版)、『スポーツの近現代』(ナカニシヤ出版)、論文に「ロンドン2012オリンピック・パラリンピックにおけるボランティア政策」(「現代スポーツ評論」第37号)など。
山口 理恵子(ヤマグチ リエコ)
城西大学経営学部教授。専攻はスポーツとジェンダー。共著に『スポーツとLGBTQ+』(晃洋書房)、『日本代表論』(せりか書房)など。
東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会は一年の延期を経て、2021年7月から開催された。東京にコロナ禍による緊急事態宣言が発令されたさなか、無観客で実施され多くの賛否を巻き起こしたが、東京大会の正負両面のレガシー(遺産)はいまだ正面から検証されたとはいいがたい。
招致から準備、開催に至るまで私たちは東京大会というメガイベントとどのように向き合ったのか。オリパラの現代的な構造や役割、それへの賛否という基本的な知識や情報を押さえたうえで、大会の理念、政治やインフラ、都市、競技場、ボランティア、ホストタウン、新しい競技の採用などの個別具体的な事例を丁寧に検証する。
そのうえで、ジェンダーやLGBTQ+、教育などの社会的な価値観の変容にも注目して、東京大会がスポーツ界や日本社会に与えた影響を真正面から多角的に分析する。