神田 彩絵(カンダ サエ)
1996年、東京都生まれ。東京女子大学大学院人間科学研究科博士前期課程修了。専攻は日本近現代文学。論文に「宮沢賢治童話における〈クマ〉――他者として描くこと」(「東京女子大学日本文学」第118号)など。渋谷区立宮下公園で開催されたWedding Park 2100「Parkになろう」(2023年)でエッセー「豊かさは繋がること」を寄稿。
『注文の多い料理店』のネコや『セロ弾きのゴーシュ』の愉快な動物たちを筆頭に、クマ、キツネ、タヌキ、カエルと、宮沢賢治が創作した童話群「イーハトーブ童話」にはさまざまな動物が登場する。日本古来の伝統的な動物観とヨーロッパ由来の新しい動物観の交差で生み出された動物たちは、賢治文学、そして日本文学でどのような意味をもつのか。
種としての動物の生態を紹介することに始まり、ヒトが彼らに向けてきたまなざし(動物観)の諸相、宗教や民間伝承に現れる動物の姿などを解きほぐし、さらに動物を扱う日本の古典文学や西洋文学を縦横に読み解く。そのうえでイーハトーブ世界に登場する動物のキャラクターを横断的に分析して、宮沢賢治が紡ぎ出した独自の動物観を浮き彫りにする。
動物とともに作品世界を旅してイーハトーブ童話のルーツを探る、新しい切り口の賢治文学への招待状。