土屋 敦(ツチヤ アツシ)
1977年、神奈川県生まれ。関西大学社会学部教授。専攻は医療社会学、子ども社会学、家族社会学。著書に『「戦争孤児」を生きる』(青弓社)、『はじき出された子どもたち』(勁草書房)、共編著に『社会的養護の社会学』(青弓社)など。
坂田 勝彦(サカタ カツヒコ)
1978年、千葉県生まれ。群馬大学情報学部教授。専攻は地域社会学、医療社会学、生活史。著書に『ハンセン病者の生活史』(青弓社)、論文に「炭鉱の遺構と記憶は開発主義以降のまちづくりでいかに見出されたか」(「社会学評論」第75巻第1号)など。
私たちは、多くの疾病が医学の発展によって撲滅された「歴史」、あるいは高度経済成長期の公害が多くの人々を苦しめ、それを是正するために様々なアクターが力を尽くした「歴史」を知っている。だが、紋切り型の歴史理解によって、それぞれの疾病や公害が固有に抱える問題を見逃してきてしまったのではないか。
本書では、ハンセン病、結核、精神疾患、健康被害、公害を主題として取り上げる。そして、患者や医師、医療機関、企業、行政、そして家族、支援者など、病をめぐる問題に関わった人々が実際に何を考え、どのように行動し、いかなる役割を果たしたのかを、コアな一次資料を徹底的に調査することで明らかにする。
「戦後社会と病」をめぐる紋切り型の歴史認識=「神話」を解体し、経験的・実証的分析を通じて病と社会のありようを問い直して、忘却に向き合い、社会認識をアップデートする社会学の成果。