筧 智子(カケヒ トモコ)
1965年、東京都生まれ。上智大学大学院実践宗教学研究科死生学専攻博士後期課程修了。博士(文学)。上智大学グリーフケア研究所客員研究員、グリーフケアのボランティア団体「グリーフサポートたま」代表。また公認心理師として医療・教育の領域で心理支援に携わる。専攻は死生学、グリーフケア、スピリチュアルケア。論文に「心的外傷後成長(PTG)とグリーフケア――がん患者遺族にスピリチュアルな変容をもたらすものに関する事例研究」(「グリーフケア」第13号)、「自死遺族における「物語の意味」に関する一考察」(「自殺予防と危機介入」第42巻第1号)など。
大切な人との死別により、遺族は深い悲しみや苦しみ、怒りや「見放され感」などが入り交じった複雑な感情「グリーフ(悲嘆)」を経験する。本書は、身近な人を自死で亡くした家族や友人などのグリーフに焦点を当て、自死と自死者をどのように受け止めているのか、当事者の語りから書き起こす。
無力感や自責の念、一方で苦しむ人の力になりたいという気持ち。自死遺族は一人ひとり違う経験をしていて、抱く感情もさまざまである。親や子ども、配偶者、同僚などを亡くした20人の事例から、自死者に対する感情、困難や支え、捉え方の変化を紹介する。また、自死遺族が集う「分かち合いの会」や往復書簡に取り組む5つの団体への聞き取り調査から、多様な支援のかたちを描き出す。
自死遺族支援に関わる全国各地の団体を紹介する巻末資料も充実。遺族の語りからグリーフケアのあり方を考える貴重な一冊。