村上陽子(ムラカミ ヨウコ)
1981年、広島県生まれ。沖縄国際大学総合文化学部教授。専攻は沖縄文学、日本近現代文学。著書に『出来事の残響――原爆文学と沖縄文学』(インパクト出版会)など。
沖縄文学には、かすかな声やかたちをとっていない記憶、言葉をもたない存在の気配などが宿っている。表現者たちはどのようにそのざわめきにふれ、言語化しがたい戦争・差別・暴力・支配などの記憶を書いてきたのか。性暴力の被害者、被爆者ほか周縁化されてきた人たちの声は、文学のなかにどのように響いているのか。そして、読み手はその声を聞き取ることができるのか。
大城立裕、大江健三郎、目取真俊、崎山多美、仲程昌徳たちのテクストや実践を取り上げ、アメリカ軍による暴力、在沖被爆者などの記憶や声に着目する。さらに、沖縄の教科書や、日本語を「かきまぜる」表現者の文体戦略にも焦点を当て、沖縄文学がどのように教えられてきたかをたどり、日本語/日本文学のありようも照らし出す。
沖縄文学に息づく「ざわめき」に耳を澄まし、テクストとの共鳴から読むことの可能性を探る。